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アンディ・ゴールズワージ,大好き。

アンディ・ゴールズワージは,私を環境芸術に導いたひとです。無茶,リスペクトしています。
彼のよさを紹介しします。

1 ゴールズワージと現代社会の環境
 イギリスのエコロジーを重視した作家たちには、「画廊や美術館などの展示空間や商品としての作品という、従来の芸術をめぐる問題に対する批判」と「環境汚染や都市化による人間の疎外、こうした現代文明に対する懐疑によって触発された、地域環境に対する意識の目覚めや、自然との共感への願望」が共通するといわれている。芸術が社会経済状況や社会的通念・価値規範等と相互に連動している活動であるがゆえに、「環境芸術」は自然と乖離する方向に肥大化した芸術界や現代文明を批判し、オルターナティブ(代案・提案)を模索するという時代動向と連動しているといえる。
 ゴールズワージは、1956年イングランドのチェシー生まれで、リチャードロングやナッシュといった日本でも馴染みの深い自然派の第一世代を継ぐ、第2世代の旗手とみなされ、世界各地でも個展が開催されるなど注目を集めている作家である。ゴールズワージは自然の中で手以外のほとんどの道具ももたずに入り込み、木の葉や土、小石、茎、鳥のはね、雪などの自然の素材を使い、自らのいる場所や素材のもつ特性を生かしながら、自然界に一時的に新たな秩序を創造し、これを写真や紙にドローイングしたりして記録して発表する。彼の自然との対応を大切にした制作姿勢は、イギリスの自然に対する伝統的な愛着を脈々と受け継いでいるといわれる。
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 作品「石の室」は日本において始められた作品パターンで、ゴールズワージが足尾の渡良瀬川の支流で制作されたものである。日本名「木に保持された岩」という作品であるが、鉱毒により山の木々が枯れ果て、公害の被害をやせた山肌による洪水により広げた足尾の公害の現状を岩と木との関係で、自然のエコロジーの重要性を端的に表現している。周囲においてある積み重ねられた木はいっさい岩には触れていない。微妙な緊張のある関係によって自然の関係は保たれていることを表してると思われる。まさに現代社会において環境がぎりぎりの所でバランスをとって存在しているのに,人間はそのバランスをいともたやすく崩している。足尾という場所の持つ意味がそれを強調している。考えさせられる作品である。
2  ゴールズワージに注目する理由
 ゴールズワージは、葉でペィンティングし自然の素材で彫塑すると述べているが、その手法は、小石並べ、積み木等の幼児や児童の造形活動範疇に頻繁に観察されるものがよく使われている。言い換えれば、子供(幼児期から児童低学年)の造形活動と彼の仕事(制作)の類縁性は高いといえる。
子供も彼も、大地との造形を通した交流を体験することで、人間としての自然を慈しむという根源的感情やイメージ世界を共振的に獲得している。この自然環境の中における活動はすべて、自らの自己実現の場となっているのである。また、自然との謙虚な交流は、人間の営みがが自然に与えている傷を見出す。よって、創造的交流によって、自然の声を聞くこと、自然と共生することをいかに学ぶかといったことは、21世紀に生きる子どもたちにとって非常に重要なことなのである。
子供を取りまく環境では、人工的な仮想世界が拡大している。そこでは視覚や聴覚等が主に働き、全身的な感覚は味わえなくなっている。だからこそ、ゴールズワージの自然の中で一体化する直接体験の活動へ立ち戻ることが大切だと考える。
 自然の中での活動は、子供の創造性を育成する上で重要な要素をたくさん含んでいる。そこでは、ただ単に自然は懐かしい、大切だといった郷愁感だけなく、自然の中でこそ獲得できる感覚や活動を造形活動としてどのように組織化し、カリキュラムの中に位置づけしていくことが問われることになる。ゴールズワージの自然に触れ自然と対話をしながら制作をする彼の生き方、表現の仕方は、それへの大きなヒントを与えてくれていると考える。

彼の作品集をみると,自然の美との寄り添い方がわかるような気がします。
制作様子のDVDもいいですね。
by kazukunfamily | 2012-03-06 20:26 | 子どもと鑑賞活動

子どもと環境とアート教育の関わりを生かした図画工作科教育の実践的研究


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