習得、探求、活用と環境教育のin.about.forの関係の整理

イギリスの環境教育における in.about.forのカリキュラムは、認知的要素=aboutと経験的要素=inと価値的要素=forの3つの教育のバランスのとれた統合をめざしている
各内容を整理すると
A、「環境についての教育」(educaion About the environment)
 環境にかかわりのある事項に関する知識や理解を深めることを目的とした教育。この 中には、環境と関連している価値や態度などに対する知識や理解を深めることも含む。
B、「環境の中における、あるいは環境を用いての教育」
         (educaion In or through the environment)
  環境を、身近な、そして適切な資源として用いて、児童生徒自らの直接体験と探求や 実験をさせることを中心にした教育
C、「環境のための教育」(educaion for the environment)
 児童生徒たちが、環境または環境にかかわる事柄との関係において、彼らの個人的な 責任を学ぶ教育。この中には、現在と未来における継続性のある開発、思いやりのある 環境利用を行うための必要な理解と行動も含まれる。

 一方、平成19年1月に中央教育審議会の第3期教育課程部会から「審議の状況」が報告され、その中で今後の学習の状況について、次のように述べられている。
 ○基礎的・基本的な知識・技能の育成(いわゆる習得型の教育)と自ら学び自ら考える  力の育成(いわゆる探究型の教育)とは、対立的あるいは二者択一的にとらえるべき  ものではなく、この両方を総合的に育成する具体的な方策を示すことが必要である。  このため、いわば活用型の教育ともいうべき学習を両者の間に位置付ける方向で検討  を進めている。
 ○すなわち、基礎的・基本的な知識・技能を確実に定着させることを基本とする。こう  した理解・定着を基礎として、知識・技能を実際に活用する力の育成を重視する。さ  らに、この活用する力を基礎として、実際に課題を探究する活動を行うことで、自ら  学び自ら考える力を高めることが必要である。このような過程を各教科等に即して具  体的に検討している。
さらに、平成18年2月13日にとりまとめられた、中央教育審議会初等中等教育分科会の「審議経過報告」の 「確かな学力の育成(学力に関する考え方)」を参考に習得、活用、探求の内容を整理する。
A 習得を重視した学習(acnievement learning ) 
基礎的・基本的な知識・技能を確実に定着させることをめざす。
そのために、以下のような手だてが求められている。
①基礎的・基本的な知識・技能の面については、発達の段階に応じて徹底して習得    させ、学習の基盤を構築していくことが大切
②基本的な意味を押さえた上で、反復学習などの丁寧な繰り返し指導が有効
③音読、暗記・暗唱などの活動を適宜取り入れる
④知識・技能を生きて働くようにすること、すなわち実生活等で活用することを目    指すからこそ、その習得に当たっても、知的好奇心に支えられ実感を伴って理解す   るなど、生きた形で理解させる
⑤暗黙知の重視=家庭や地域社会とも連携しつつ、体験的な活動や音読、暗記・暗唱、   反復学習などを通じて、知識・技能の体験的、身体的な理解ということに十分配意   する
⑥子どもの発達や学年の段階に応じた教育内容の整理や指導方法の工夫をする
B 活用する力を重視する学習(exploitation learning)
理解・定着を基礎として、知識・技能を実際に活用する力の育成を重視する。
知識・技能を活用し、考え行動する力に関連して義務教育修了段階において子どもに  身に付けさせたい力を整理すると以下のようになる。「③は筆者」
①情報を獲得し、思考し、表現する力(言語や情報を活用する)
②知識・技能を実生活で活用する力(知識や技能を活用する)
③コミュニケーションを活用し、自他の知識・技能を生かす(人間関係を生かす)
④構想を立て、実践し、評価・改善する力(課題探究の技法を活用する)
  よってこの活用する力を重視する学習では、理性に基づいて情報を処理する力などを  通じて、体験から知識・技能を獲得し、深め、実際に活用するための基盤となる力を  養うことを目指していると考えられる。
C 探求する力を重視する学習 (pursuit learning)
探究を重視する学習を行うことは、子どもの知的好奇心を刺激し、学ぶ意欲を高めた  り、知識・技能を体験的に理解させたりする上で重要なことであり、自ら学び自ら考  える力を高めるため、積極的な推進が目指されている。そして、こうした探求する力  を重視する学習を通して、各教科等それぞれで身に付けられた知識や技能などが相互  に関連付けられ、総合的に働くようになることが期待されている。
そのため身につけたい力を整理すると以下のようになる。「①②③は筆者」
①体験を通して、積極的にその魅力や課題点を感じ取ろうする力(関心・意欲)
②体験から感じ取ったことを表現する力(感性や想像力を生かす)
③仮説を立てて試行錯誤して解いてみる(検証)する力(課題探求する力)
④芸術表現等において、構想を練り、創作活動を行い、その結果を評価し、工夫・改   改善する力(構想、評価、改善する力)
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by kazukunfamily | 2012-04-03 22:36 | 博士をめざす方へ

子どもと環境とアート教育の関わりを生かした図画工作科教育の実践的研究


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