日本伝統の描画法

日本伝統の描画法について簡単にまとめました。
実践づくりに役立てて下さい

屏風づくりの参考にした「洛中洛外図屏風」は、歴博甲本(国立歴史民俗博物館所蔵) で重要文化財であり、明治以降、三条侯爵から町田家の所有になったため、三条本ある いは町田本ともいわれる。現存する中では最古で、京都の景観は1520年代、狩野派の 絵師(狩野元信?)の作といわれるものである。
d0146612_1453474.jpg

「洛中洛外図屏風」は、京都の四季・行事を織り交ぜながら、画面全体に当時の人々の 生活や風俗を描いたものである。例えば、祇園祭を描いている部分では、子供たちが追 っかけあったり、酒を飲んでいる人。あるいは、犬とたわむれている女の子や、ポカン とただ空をながめている少年。それらの人々の表情は千差万別で、笑っている人もいれ ば、びっくりしている表情、あるいは、間の抜けたような顔をしている人もいれば、し かめ面の人もいる。多くの豊かな人間ドラマが描かれている。子ども達は、このような 魅力的な人間の日々の生活を描く面白さをこの屏風から学ぶ共に大和絵の技法として次 のようなものを、「洛中洛外図屏風」鑑賞や絵屏風づくりを通して学んだと考えられる。
①俯瞰描写
  かなり高いところから見下げるような視点で描く技法。こうした俯瞰描写は、平安時代から江戸時代の絵画に一貫してみられるものである。
d0146612_145430100.jpg

②省略
 日本の絵画は省略が多い。細部においては非常に細かく描かれているのだが、一方  でかなり大胆な省略が行われている。たとえば、必要でないところはなにも描かない  という態度がとられており、そのため画面に空白の部分がある。この空白の活用も日  本の伝統的な絵画を思わせる。また、建物の内部を描く場合に、壁や床が省略されて  いる場合がある。こうした省略も日本の伝統的な絵画にはおなじみの手法である。
d0146612_14553312.jpg

③逆遠近法
遠くにいる人物も近くにいる人物も同じ大きさで描く。つまり、人物たちは遠近法 を無視して存在している。こうした遠近法の不正確さは、近代以前の伝統的な日本の絵 画には一般に見られるもの。
[PR]
by kazukunfamily | 2012-04-21 14:56 | 博士をめざす方へ

子どもと環境とアート教育の関わりを生かした図画工作科教育の実践的研究


by kazukunfamily
プロフィールを見る
画像一覧