造形遊びと身体性

造形遊びは、材料や環境世界がもとになり活動が展開する。活動の入り口(きっかけ)は、特定の内的なイメージよりも、外在的で具体的な材料にある。よって、その場にあるおもしろい形態を組み合わせたり、材料をいろいろと付け加えながら子どもたちはイメージを膨らませる。そこでは、物的な対象世界との身体性に基づく具体的な交流の中で、様々な物事を組み合わせたりすることを楽しみ自らの資質やよさを伸長している。
新指導要領においては、「楽しい造形活動」を「造形遊び」へと名称を引き戻し,導入当時の原点にかえり,大人のアイディアで捏造された内容から脱却し、子どもが楽しい体験や活動を通して内的と外的なモノを関連を模索しながら主体的な精神活動を行ない、自らの豊かな情操を獲得できることを目指しているように思われる。
のようになっている。
 低学年においては、体全体の感覚を働かせ材料と友達になって,小石や木の葉の自然材、空き缶など人工材をいろいろなものに見立てながら簡単なものをつくったり、身体にひっつけたり、飾ったり、変身したりして楽しむ。そして、体全体を使った、材料を並べる、つなぐ、積むなどのダイナミックな挑み(活動)から活動が展開される。
中学年では目標に「手や体全体を十分に働かせて」とあり、身体感覚を総合して体ごと造形に挑むことをねらっている。これは、視覚だけでなく、五感覚を駆使して手の働きと連動して体ごと表現にあたることの大切さを示している。また、「前学年までの材料や用具など経験を生かし」は、材料や場に働きかけた経験を自ら振り返りながら造形活動に生かしていく感覚を重要視している。
高学年では、一年生から積み重ねてきた創造的な遊びの経験を総合的に発揮し、一層材料や場所(環境)に、その色や形、触感などを元にダイナミックに働きかけることをねらっている。
これらを通してみると、楽しい造形活動(造形遊び)では、子どもの身体性を重要視し、素材・場にかかわり、ものをつくりだすもしろさや形になって表れる楽しさを十分味わわせ、自己表現の喜びを体得させることをねらっていることがわかる。よって、この表現活動においては子どもの身体性=活動や体験が基盤になっていることがわかる。
この身体性(活動と体験)と造形遊びとの関わりを図にすると、右のようになる。
まず、子どもが特有の感覚や思考力・想像力を働かせて、材料や場所の状況、すなわち、材料や場所などの形、色などを感じさせるものから、行為を見つけてその行為をし。そこに立ち表れるかたち=意味を楽しみながら、新たな行為を展開してゆく。この過程において子どもの力を発揮させるのには身体性が働いており、それにより子どもが「私」をつくり、つくりかえることになり、子どもの思考力、想像力、感覚等の資質や能力が育まれていく。
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よって、子どもの身体性とともに指導者も自らの身体を呼び起こし、子どもの資質や能力の発揮ないし働きを促すような造形活動生むために、子どもの全身を十分に使った行為の可能性を読みとることが重要になると考える。
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by kazukunfamily | 2012-05-05 01:18 | 博士をめざす方へ

子どもと環境とアート教育の関わりを生かした図画工作科教育の実践的研究


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