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美術館との連携、「学芸員のみなさんありがとう」

そろそろ、アート探検隊の美術館での子どもの力の「活用のステージ編」にいきたいのですが、連携して見えてくる、学芸員の方々の多忙さがあります。
 少しでも子ども達にアートの素晴らしさ、美術館という空間の豊かさを体験して、生涯を通してアートを楽しむ姿勢を育みたいと、忙しい時間をさいて、対応してくださっています。ですから、「公共の施設だから作品の解説はしてもらって当たり前」とか「美術館につれてきた、あとは学芸員さん、おねがい」と、子どもの鑑賞指導を丸投げしてしまうのは、どうかと思います。
 「何のために来るのか」を子ども達に持たせておくことが必要だと思います。私の場合は、次の3点でした。「企画展のアートクイズを制覇しよう」「マグリッドの絵に不思議なおもしさについて語り合おう」「大好きな絵をみつけよう」です。
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 このねらいを学芸員の方に伝えることで、本当に丁寧に作品について、また絵の楽しみに方について、子どもに解説していただきました。また、美術館というのは、学芸員の方だけでなく、運営を支える総務等の部所があります。その方々にも**小は何のために鑑賞に来るのを伝えるためにも、「美術館に見学にくる」だけでなく、「何がしたいのか」をはっきりさせることで、美術館を多くの方が心地よく見学される中で、どのような子ども達の鑑賞スタイルが可能なのかが、学芸員や総務の方との相談中で明らかになると思います。
 
すなわち、学校側が美術館での鑑賞で、どのような態度や力を高めようとしているのかについて共通理解をすることが大切になります。
今回の実践では、学芸員の方にお願いする役割も以下のように整理して、望みました。
①企画展「アート・たんけん」において
 探検の仕方の説明、クイズを解く時のヒント
 作品に関する児童からの質問への回答
②対話型の鑑賞活動において
教師の指導の支援、作品・作家に関する情報提供による
児童の自らの読み取りの振り返りを促す
③アートクイズ・マップづくりにおいて
アート作品のある場所についての情報提供児童の作った クイズの答えに間違いがないかのチェック等
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学芸員の方には、これ以上に、アートマップを美術館に置いていただくために多大な理解と支援をいただきました。本当に深く感謝です。

ただ、公共の美術館の場合、学芸員の方も公務員、そして教員も公務員、いつ何時、職場や部署の移動の辞令があるかわかりません、人的な影響によって、学校と美術館、すなわち、教師と学芸員間の連携の積み上げが、もう一度、はじめからやり直しではもったいないと思います。その意味で、鳴門教育大が地元学校と美術館との連携を「N*CAP」という大学の教員と学生の組織が間に入ることで継続的に行っていることは、とってもいい実践とおもいます。ですから、学校ーー「*」ーー美術館という構図の中の「*」の部分に入る組織がほしいと思っています。NPOでも、教員の担当者会でも、大学でも、何かそんな組織と実践の情報が全国に広まっていくといいなと思います。
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写真は昨年。年末の「N*CAP」=naruto children art park がおこなった実践の一こま、大塚美術館にある絵の中の天使に着目した実践、最後に子ども達が天使の羽をつけて、館内を行進します。もう、びっくりすると同時に、絵の中の天使になりきった子ども達の嬉しそうな笑顔が印象的でした。
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by kazukunfamily | 2008-02-01 22:19 | 子どもと鑑賞活動

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