感覚をつなげてひらく芸術教育を考える会の活動報告1
2008年 05月 18日
兵庫教育大学 初田ゼミがホストの会ですが、今年、岡山大学を退官された「奥忍先生」を核にして、今後の芸術教育のあり方、また、実践づくりについて探ろうとする会です。
会のねらいを詳しくいうと・・・・
「今後、五感や異種感覚を統合的に用いた芸術教育の研究や実践に関心のある研究者、学校教育現場の先生、学生などの研究発表、知識や学術情報の交換を行う場づくり」
です。
では、第1回の内容を報告します。
まず、初田教授の挨拶のあと、参加メンバーが自己紹介と、美術と音楽を統合した実践を体験するため、音を描画でひょうげんしたり、目隠しをして、参加者の声を線で表現する活動をおこないました。
その後、実践報告として、院生「椋田敏史」氏より「幼児教育における総合的な表現について」の実践が報告されました。幼児の感覚を大切にして、「音」ー「身体活動」ー「表現活動」をつないだ「幼児対象」の実践が報告されました。
一連の活動展開がビデオでわかりやすく紹介されると共に、参加者から活動の場作り等への助言がでました。
研究発表では、仏教大学等非常勤講師の「辻誠」氏より「触知覚と絵画表現」の発表がありました。視覚情報の偏りすぎた指導を見直し「アクティブタッチ」の活動を取り入れることで、特に幼児の絵画表現に広がりと、活動への集中が見られるというないようでした。日々の実践を見直す示唆をいただきました。
続いて、兵庫教育大の博士課程「井上朋子」氏より「音の造形化ーパウルクレーの試みを教材化の手がかりとしてー」という研究発表がありました。
音楽と絵画表現の融合をはかり、その教材化をめざす、基礎研究の内容でした。クレーの音の造形化を図った楽譜を参考に、「きらきら星」をジャズ風にアレンジした楽譜と図楽譜のどちらが、演奏者に表現の豊かさがみられるかという研究でした。参加者より、実践の成果の分析についての助言がだされ、発表者にとって有意義な発表になりました。
最後に「奥忍」先生より記念研究発表がありました。
なぜ、音楽と美術を統合した研究が必要なのか、台湾等の海外の様子、さらには少数民族における表現を例にわかりやすく講演してくださいました。
また、今後の研究は、子どもの意外性な場面で、統合的に豊かに発揮される感覚を生かす方向で進める必要があると述べられました。
さらに、先生は自らの中で音楽と美術を統合されるため、現在、京都嵯峨美術大学大学院でメディアーとの研究をなされているとのことで、その授業のようすをユーモアを交えて述べられました。
会のまとめでは、両者を統合した際の児童に身につけたい 目指す能力設定について課題が見いだせましたが、今後の参加者の研究。実践開発の中で明らかになっていくこととおもいます。
次回は京都の幼稚園で実践を参観して、研究を深めることになりました。
事務局=兵庫教育大学 初田隆 ゼミ (井上朋子 担当)
連絡等は兵庫教育大学へTELお願いします。0795-44-2010