人気ブログランキング | 話題のタグを見る

日本の子どもの公共性

なぜか2日間、インターネットがつながらず、あーだこーだ、する内に3日間の休みが終わってしまいました。(くやしー!にっくき、ルーターめ)そこで、少し難しい文章を書いたので載せます。
日本の子どもの公共性についての文です。

日本における持続可能な社会形成に関わる市民育成の現状について考える。1999年に文部科学省が行った日本とイギリス、アメリカ、韓国、ドイツの小学校5年生と中学校2年生を対象とした「子どもの体験活動等に関する国際比較調査」の報告において、社会体験に関する設問中、「何度もある」と答えている者で、諸外国に比べて日本が最も少ないのは、「ボランティア活動への参加経験」(12%)であった。また調査では、家庭においても、日本の子どもたちは、諸外国に比べて、「買い物の手伝いをすること」(7%)、「家の中の掃除や整頓を手伝うこと」(9%)、「ゴミ袋を出すこと」(11%)など煩雑なもの、体力を使うものについては、あまりしていない傾向がみられると報告されている。この調査結果からは、日本の子どもが諸外国と比べて、市民として自覚をもって持続可能な地域づくりに参画していないこと、そして、それが家庭生活においてもその一員として役割を果たしていない現実が見いだされる。
子どもの家庭や地域コミュニティへの参画を阻む要因の1つとして、ハーバーマスは著書「公共性の構造転換」において、現代社会で市民がメディアの発達により「『読書・議論する公衆』から『消費する大衆』」に成り下がり、コミュニケーションの主体としての自立性を失っていることをあげている。また、関西国際大学の濱名陽子は、戦後の日本の「私化」といわれる社会意識や生活意識の変化が子どもの仲間関係の衰退に影響を及ぼすと指摘する。すなわち、大人の地域生活が衰退している中での私生活重視、私生活優先といった私生活主義的な意識・態度の傾斜は、間違いなく子ども社会にも浸透してきており、子どもの個人化・私生活化が起こっている。よって、「消費社会」の中での「私化」された意識を乗り越える授業を実施しないと、子どもたちは自己感情にこだわった自己中心的な行動しかとれず、将来、コミュニティの公共性はさらに低下すると思われる。

で、どうするか・・・・次回、つづく・・・
by kazukunfamily | 2008-10-13 16:48 | アートと地域

子どもとアートとict教育の関わりを生かした図画工作科教育の実践的研究


by kazukunfamily