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2011年 12月 26日 ( 3 )

ワージ・クローンを作らない授業づくりー自然を素材にした失敗から学ぶー

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ワージ・クローンを作らない授業づくりー自然を素材にした失敗から学ぶー

1はじめに
 私は大学でゴールズワージの作品集に出会い、また、美術館で巨大なドローイングを見て彼に魅せられた。ゴールズワージは、自然の中に手以外、ほとんど道具も持たずに入り込み、木の葉や土、小石などの自然の素材を使い場所や素材の持つ特性を生かしながら作品を作り出す作家であり、日本でも数回来日し三重県や福井県等で制作を行っている。
 私は、彼の作品集を子ども達や同僚に紹介し授業やワークショップを行ってきた。高学年の造形遊びの授業作りに苦労している現場にとって、彼の芸術は、自然素材を活用する授業の最高の教材と考えていた。(写真1)
しかしながら、何度か授業で彼のの表現を参考にする内に落とし穴に落ちていることに気がついた。その落とし穴とは何か?。それは、子どもの作品であるがまるでゴールズワージのコピーのようである。そこで、このような作品をワージクローンと自己の実践の反省を込めて呼んできた。だだ、作家の手法をなぞる授業全てを否定しているわけではない。彼の表現の意図を考え、なぞることで子ども達の自然を見つめる視野を広げることは意味がある。しかし、表現から一人一人の個性が見いだせなければ芸術家の表現に縛られているとは考えられないだろうか。
そこで、そんなワージクローンを生んでしまった私の実践から、失敗の原因を探り、その改善方法を見いだすことで子ども一人一人の個性輝く授業作りのあり方を示したい。
2ワージクローンはなぜ生まれたのか。
(1)秋の山の色・形を生かしたつもりが・・ この授業は前任の山間の僻地校での行ったものである。授業後の感想カードは図1のような作家を褒め称える内容が多かった。そして、その表現をたどることは楽しいと活動を評価していた。授業者としてはめでたし、めでたしなのだが、カード全てが芸術家のよさ指摘していたり、「ワージの作品を超える作品は無理だ」という感想のカードを読むと、はたしてこれでよかったのかという反省が生まれた。自分の好きな芸術家を子どもに押しつけただけなのかなと思っていたところに、子どものが記録した写真3,4を見て落ち込んでしまった。
 この実践は前半・後半の2部構成になったいた。前半は自分の力だけでも秋の里山での作品作り。後半は「ワージに挑戦」と題してワージの作品を鑑賞してから作品作りをおこなった。両者を比べると前半の方がオリジナリティに溢れ、作家観賞後よりずっといい。なぜ作家の作品鑑賞が子どものオリジナリティを奪ってしまったのか疑問が膨らんだ。そこで、授業を振り返ってみた。
(2)授業の概要
①題名「秋の山の色、形を生かして」
②学年6学年 28名
③実施時期 10月下旬
④ねらい
・秋の山にある素材や場所のよさや 美しさを考えながら、想像力や創造的な技能などを総合的に働かせ て楽しく表現する。(表現A)
・ゴールズ・ワージや友達の作品の 美しさや表し方のよさ、ねらいの面白さを味わい、自分の表現に生 かそうとする。
⑥指導過程(全2時間30分)
A第1次(1時間)
ア学校裏山のアスレチック場にゆき、自分の好きな秋の色、形探しをする。
イ里山の中で作品を作りたい、お気に入りの場所探しをする。
ウ秋の色や形がより一層輝くような組み合わせや構成を工夫して造形活動をする。
エ自分の作品をカメラに納める。
オ友達の作品を鑑賞する。
B第2次(1時間30分)
ア作家の作品集を見た感想を出し合い、教師から制作意図や手法  の説明を聞く。
イ作家に負けないような素材を里山で探す。
ウ探してきた素材をもとに総計活動をおこなう。
エ作品をカメラで記録する。
オ友達の作品を鑑賞し、自己評価カードに授業の感想を書く。
(3)ワージクローンを作った原因 この授業計画のどこに問題があったのか。その原因の一つに2時間目で活動場所に作家の作品写真を木等にぶら下げていたことがあるように思う。作品はいい刺激になったかもしれないが、それを見れば子どもがコピーを作りたくなる。しかし、最大の原因は教師の心に、まずゴールズ・ワージありきだったことである。言うなれば、図ように、秋の素材生かす表現を楽しませることより、作家の表現に子どもを合わせようとしたところに失敗の原因があると思われる。
第1次終了後に、子どもの表現の意欲や技能を高めるために提示する鑑賞作品を検討すべきだった。
実は、その提示すべき作品のヒントを子ども達は第1次に教師に与えてくれていた。教師が「きれいに色を組み合わせているね、何か参考にしているの?」と聞くと「家にある生け花」と答える子が数人かいたのである。すなわち、子ども達は自分の作品に日々の生活で見慣れた生け花を重ねていた。
3自然素材は子どもの生活と紡ぎ合ってこそ生かされる。
 よって、子どもの意欲や表現高める鑑賞作品は、家庭や学校の玄関等においてある生け花の実物や室内だけとどまらず野外等でおこなわれた生け花の画像等だと思われる。
自然の素材を生かすには、まずは子どもの生活にある自然の色・形を生かした美との紡ぎ合いを教師が読み取る努力が必要であると考える。
ワージ自身も永平寺にある野積みの石に美を見いだし、自らの作品に生かしている。日本は、日々の生活において素朴な心で、自然の持つ美がより一層輝くように利用して室内や庭の空間を豊かにしてきた。
その生活中に生かされた自然素材の作品例を授業づくりに役立てることは大切であると考える。そのためには、家庭訪問や地域学習等で子どもの生活と自然素材との接点を探る必要がある。自然素材を授業で生かすヒントは子どもの日々の生活にあると考える。
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by kazukunfamily | 2011-12-26 09:56 | 教授の図工実践

雪がふる。犬は喜び、ゆきどけ大変。

朝から風景は真っ白です。犬は喜び、私は、名誉教授の論文集関連のテキスト打ちながら、ゆきをどけています。これ腰痛になるのですよ。雪は、本当に重たいのですよ。
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by kazukunfamily | 2011-12-26 09:47 | 地域情報

奈良で姫路の世界遺産をアピールしてきました。

24日に奈良の100年会館で行われた「世界遺産子ども会議」に、勤務校の5年生2名が参加し、パネラーとして、姫路の町の宝のことをプレゼンし、その受け継ぎかた等について意見をのべくれました。とっても大きなホールで、度胸もいるのによくやってくれたと思います。また、迎えにきていただいた保護者の方にも感謝です。大成功の会議でした。しかし、子どもの力はすごいなーと感心しました。
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by kazukunfamily | 2011-12-26 09:44 | アートと地域

子どもと環境とアート教育の関わりを生かした図画工作科教育の実践的研究


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