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カテゴリ:新しい指導要領( 9 )

図画工作科基礎講座その2

著作をがんばっていました。
その一部から・・その2です。
絵画についての考え方です。
絵画には適応表現(しっかり見て・ユーザーを考えてデザイン・・約束の中からの独想・・視覚型の絵画制作といえるかもしれません)と心象表現(独りよがりからの独想・・心のイメージを形にする)の2つが考えられるます。小学校におけるその学習展開を図にすると以下のようになります。
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えてして,心象表現がなおざりにされてきたと言われてきました。発達段階に応じて心象と適応表現をしっかりバランスよく学習する必要があります。では,低と高でどう絵画を指導していくのか,それは次回のお楽しみです。
by kazukunfamily | 2014-06-19 14:08 | 新しい指導要領

小中一貫教育カリキュラム中間報告会

小中一貫教育カリキュラム中間報告会で発表してきました。
1年間,何とか苦労して小中一貫のカリキュラムの集約版を制作してきました。
あとは,詳細版を今年つくります。

報告会では,指導助言を兵庫教育大の先生がしてくださいました。
姫路らしさ,をどうだしていくか。
子どもの目線にどうたつか。
そして,先生方につかってもらえるカリキュラムをつくりたいですね。
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by kazukunfamily | 2010-05-27 21:00 | 新しい指導要領

新しい指導要領の勉強会に参加

土曜日は、昼から姫路で新しい学習指導要領について勉強会に参加してきました。
大阪の先生(大学)の話はわかりやすく、新指導要領を構造的にとられることができました。
また、美術教育現場の本音をみんな、遠慮なく語り合うことができました。
大学の講義・会合等がここ2年、多かったので、現場の意見交流は新鮮でした。
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今日、日曜日は朝から、厄神さんの、たきびの準備です。
大木をチェンソーで半分に割って大変でした。
おかげで腰痛が再発、昼から寝込んでいました。

近頃、土日がまったく休めないので、そのせいが、食べても体重が減ります。
今週はしっかりねたいですね。
by kazukunfamily | 2009-01-18 18:23 | 新しい指導要領

今月号の初等教育資料は読むべしです。

週末は、環境芸術学会の論文の手直し、(本当に難しい)
日曜日は、一日、姫路市陸上競技場での小学校陸上競技大会の引率をしてきました。
日差しがきつい中、子ども達はとてもよくがんばり、2名が入賞しました。

さて、今月号(6月号)の初等教育資料(文部科学省)のp26からは、読みましたか?
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小学校学習指導要領(図画工作)の改訂について、奥村先生が丁寧に解説しておられます。

特になるほどとおもったのは、p32です。
ここに、事項、ア、イ、ウのことをわかりやすく解説してあります。
アは、表現のはじまりにおける発想や構想の能力及び活動の概要
イは、表現の過程における発想や構想の能力及び活動の概要
ウは、創造的な技能観点から示す

もう、目からうろこの解説でした。
学校の校長先生は、必ず購入されていると思います。お借りしてもいいので、ぜひ、一読してみてください。

明日からは、ボンドを使ったペンタンコのドローイングの取り組みを紹介します。
by kazukunfamily | 2008-06-02 02:46 | 新しい指導要領

美育文化2008。NO.3の新・学習指導要領特集は読むべし

美育文化の5月号、読んで、こりゃまたびっくり、すごいですよ。
新指導要領の図画工作、美術科の内容について、とっても目からうろこ状態でわかりやすいです。これは絶対読むべきです。いや、よまなあかんです。
実は、姫路市の担当者の今年の研究テーマを考えていて「子どものよさを引き出す授業作り」にしようかな。そして、その裏付けを書こうかな、と思ったところへ、本がとどきました。
そして、読んで思ったのは、やはり「共通事項」のとらえ方です。
どうしても、国語や音楽の場合と同じように「教え込む内容」と捉えやすいのですが、それが、本号をよむことで、共通事項の「自分の感覚や活動を通して・・・」という文章のもつ意味がわかってきます。いうなれば、共通事項の内容は、授業での子ども達の学び(造形・鑑賞活動)で、子ども達がどのような力を発揮しているかを読み取る指針であり、授業を組み立てるときの目指す子ども像を描くときに柱にする一要素だと思います。共通事項は、目の前の子どもから、授業作りをスタートしなさいということ言っているんだな、と思いました。
とにかく、この号は、おすすめです。
特に、奥村、村上、水島、藤澤、先生の対談は、むっちゃ、いいです。
いろいろ、本は読んでいますが、編集の穴澤さん、ヒットやん!と思いました。

その一部を、美育文化のホームページから、
●藤澤英昭 今回の改訂は、ご承知の通り、中央教育審議会の答申に沿って行われたものであり、他方、教育再生会議の動向もありました。また、その他にも多くの教育論議があったわけで、言わば、そういう様々な流れの集大成としてまとめられたと考えてよいと思います。


◎水島尚喜 日本の子どもたちにいかにして国際人として通用する学力や能力を身につけるのか、あるいは、日本の教育は子どもにとって幸せなものであるのかという観点が改訂論議のひとつの核になっていたのではないかと思います。

○奥村高明 この10年のうちに急激なパラダイム転換があり、社会や子どもたちを取り巻く環境が激変しました。そして教育基本法が改正され、これからの教育の理念が定められました。さらに学校教育法では「学力」ということが、「基礎的な知識及び技能の習得」と「これらを活用して課題を解決するために必要な思考力や判断力、表現力、その他の能力」そして「それを支える学習意欲」という三つに整理されました。これは、ある意味では「生きる力」の条文化ともいえることだと思います。同時に、これまでの知識や技能が学力なのかとか、自ら学ぶ力や思考力・判断力こそが学力なのかといった対立的なものではないことが規定されたわけです。

●村上尚徳 私たちは色や形に囲まれて生活しています。それが機能的に役立つかどうかという面だけでなく、それらを豊かに感じ取ることにより気持ちが楽しくなったり、そこに面白さを感じたりすることも含めて、子どもたちに美術や図工の学習が大事であることを示していく必要があります。

ね、続きがよみたいでしょう。
この本は、書店にはありません、手に入れ方は、以下のホームページを参照にしてください。
http://www.biiku.jp/index.html
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by kazukunfamily | 2008-05-07 19:01 | 新しい指導要領

共通事項とキーコンピテンシー

土曜日に大阪で愛知教育大のふじえみつる先生による「芸術教育におけるコンピテンシー」の講演をきいてきました。
その講演の中の「芸術教育におけるキーコンピテンシーとしての共通事項」という部分の中で、当日配布されたプリントや先生のお話を聞いて、私が「そういうことか。」と受け取った内容を報告します。(言葉足らずのところがあると思います。お許しを)

まず、コンピテンシーの概念は
コンピテンシー(能力)とは、単なる知識や技能だけでなく、技能や態度を含む様々な心理的・社会的なリソースを活用して、特定の文脈の中で複雑な要求(課題)に対応できる力

次にキーコンピテンシーの概念は
日常生活のあらゆる場面で必要なコンピテンシーをすべて列挙するのではなく、コンピテンシーの中で、特に人生の成功や社会の発展にとって有益、さまざまな文脈の中でも重要な要求(課題)に対応するために必要、特定の専門家ではなく、すべての個人にとって重要、といった性質をもつとして選択されたもの

このキーコンピテンシーには3つのカテゴリーがあります。
1 社会・文化・技術的ツールを相互作用的に活用する能力
2 多様なグループにおける人間関係形成能力
3 自立的に行動する能力

そして、今回の指導要領の共通事項における内容は

小学校
低・・自分の感覚や活動を通して、形や色などをとらえること
中・・自分の感覚や活動を通して、形や色、組み合わせなどの感じをとらえること
高・・自分の感覚や活動を通して、形や色、動きや奥行きなどの造形的な特徴をとらえること
中学校
形や色彩、材料、光などがもたらす性質や感情を理解すること
(共通事項で小と中をつなぐとありますから、この「ア」は、とらえる=理解する」と考えられる)

小学校
低・・形や色などを基に、自分のイメージをもつこと
中・・形や色などの感じを基に、自分のイメージをもつこと
高・・形や色などをの造形的な特徴を基に、自分のイメージをもつこと
中学校
色や色彩の特徴などを基に、対象のイメージをとらえること
(イメージとは感じ取り咀嚼する=色や色彩の特徴などを基に想像と創造により自分の中から何かをつくりだしていくこと)

この共通事項は(ふじえ先生は、音楽の内容も示しておられました)、「どのように学ぶか」と「何を学ぶか」を峻別して考えることは難しい=内容と能力が混在している。
よって、一見、キーコンピテンシーには3つのカテゴリーの(1)に近いように見えますが、(2)や(3)のカテゴリーとも関係が深いと思われる。(どのカテゴリーにア、イの共通事項が属しているのか、区別するのは難しい)

この共通事項とキーコンピテンシーには3つのカテゴリーの関係については、質問のコーナーで「3つのカテゴリーの組み合わせ方で捉える方法もある」と、先生は答えておられました。

先生もこの共通事項とキーコンピテンシーには3つのカテゴリーの関わり等については研究中だそうで、今後ぜひ、お話を聞ければと思っています。大変興味ある内容の講演会でした。

講演では、今回の指導要領の図工の目標にはいって「感性」のとらえ方についてもお話がありました。資質や能力としての感性のとらえ方について、(試論)という形で示してくださり、多様な角度のとらえ方を教えてくださいました。
(今後、感性については、もっと勉強しないといけないと思いました)
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by kazukunfamily | 2008-03-10 18:17 | 新しい指導要領

共通事項について1 「形=フォームを読もう」

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フォームのナンバー296-2008は、「明日の図画工作・美術教育に願うこと」という内容です。
家に届いていたので、「あっ、大好きな札幌の阿部先生がかいてはるー」とウキウキよんでいたのですが、すぐに「うん・・・・これは、職場の人に読んでもらわないと・・・・」と思いました。

それは、共通事項にたいして、阿部先生が
「共通事項でいう、形や色、イメージの主体は子どもである」として、共通事項を考える際、まず、「子どもに寄り添い、子どもをよさ見る」ことから始めることが重要とされている点です・

共通事項に対して、現場では、「新しくできるらしいが、たぶん今までハサミの使い方などの技法などの基礎・基本がおろそかになっていたのを反省して、子どもにスキルを伝達し、習得させる場だろう」と捉えている傾向が感じられます。ですから、子どもというより「スキル主体」と捉えがちです。
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写真は、今、私のクラス(5/6年)で取り組んでいる木版画の制作風景ですが、このとき共通事項として誤って捉えがちなのは、「正しい彫刻刀の使い方」「画面上の白黒のバランス」「彫りの方向」というスキル面ばかりに重視した事項です。でも阿部先生の視点では、まず、この児童が絵に「2年間の和太鼓練習へうれしさ・苦労のイメージをいかに形にしようとしているか」を教師が読み取ることが第1になります。わたしは、太鼓をバチを握る手を丁寧にほる児童に「印刷した後の、この木版の原版からインクをぬぐって、ニスを塗って額にいれようか」と提案しました。すると、顔の堀り方(彫りの方向)について児童は大変熱心に私から情報を聞き出していました。児童が求める、必要としているからそこ、生きた「共通事項」になると思いました。

今回の「形=フォーム」には、新井先生の「審議のまとめ」、さらには教育現場の鋭い分析と提言ものっています。多くの先生方によんでいただき、新しい指導要領についての議論を深めてもらえればとおもいます。
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by kazukunfamily | 2008-01-29 20:02 | 新しい指導要領

図工と美術を結ぶ共通事項

さっそくの書き込み、ありがとうございます。
新指導要領については、鑑賞と共にもうひとつ気になっていることがあります。
それは、共通事項です。

審議のまとめを読むと、美術科、図画工作科の新指導要領の内容改訂に向けて、教科のねらいに関連するものとして、
「その課題*2 を踏まえ、創造することの楽しさを感じるとともに、思考・判断し、表現するなどの造形的な創造活動の基礎的な能力を育てること、生活の中の造形や美術の働き、美術文化に関心をもって、生涯にわたり主体的にかかわっていく態度をはぐくむことなどを重視する。」
と、今までの「生きる力」育成に関連する目標と大きな方向転換は、図っていないことがわかります。

ただ、年末に「美術科教育学会第16回西地区会in奈良」でのシンポジュウムに参加しておられた、教科調査官の奥村先生の話によると、目標を実現するための手だてに課題があった。そこで、指導要領の内容を見直すとのことでした。

その際のプレゼンによると

小学校は、
「表現」「鑑賞」「共通事項」の3つの内容に・・
また、「共通事項」は、中学校にも繋がっている。
いうなれば、共通事項図工と美術を結ぶ、橋渡しになると思われます。

ここで、やはり気になるのが共通事項の内容です。
審議のまとめには
「、小学校図画工作科、中学校
美術科において領域や項目などを通して共通に働く資質や能力を整理し、〔共通事項〕として示す。」と記してあります。
その内容については、年末、年始、検討が行われているようです。内容の公開が待ち遠しいです。ただ、新指導要領こ公示は3月にずれ込むという情報もあります。

共通事項の内容と共に気になっていることがあります。
それは、内容が明らかになった後、現場での実践の偏りです。
実は、算数の算数的活動で感じたていたこと、
学校が算数の研究指定を受け、研究推進を担当していたのですが、算数的な活動の「作業的・体験的・具体物を用いた活動」等の主に知識や技能の向上に繋がる活動ついては、学習活動に組み込みやすく、実施しやすかったです。
しかし、発展的な内容や応用的な活動、すなわち思考力の向上関わるものについては、算数的な思考力について共通理解が難しく、なかなか計画や実践がしにくかったことを覚えています。
(私の力不足もあると思いますが・・・・)

内容と活動に違いはあると思いますが、共通事項の内容で
道具の使い方や混色など知識・技能に関わる能力のものは、重点的に行われるが、
構想力や創造性に関わる内容については、どのように授業を組み立ててよいのかわからず
あまり実践されない恐れがあると心配しています。

いくら、内容のある共通事項が示されても、それを実践するのは現場の教師です。
子どもにとって益になり、共通事項の授業実践を容易にするのは、図画工作、美術科に関わる教師の情報交換と思います。
そのために、区、市や町の担当者会の役割は重要になってくると思いますし、小学校と中学校が、校種をこえて連携する場が必要になってくると考えます。さらに、ブログ等での実践の情報交換も重要性を増すと思います。

共通事項については、今後、いろんな先生方に教えていただいた情報等を元に、その授業の組み立て方、教材等について、私の考えをこのプログ示し、多くの方々と考えを交流したいと思います。

写真は、奈良での地区会の様子です。
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by kazukunfamily | 2008-01-15 22:17 | 新しい指導要領

鑑賞重視について

この原稿は、美育文化2008年1月号「power to the art education」に寄せた、これからの鑑賞教育に対する私の考えです。いかがでしょう。

テーマ
「鑑賞教育の重要性が指摘され、表現に関わる時間が減少してきたが、指導が形骸化してきていないか。」
内容
「1 人気の鑑賞教育
 美術教育の学会に参加し実践や研究を発表したり聞いたりしているが、ここ数年、鑑賞教育の発表が多くなったように思う。これは、それだけ大学等の研究者も現場の先生も美術の鑑賞教育への関心が高まっている証拠である。また、平成19年11月7日に出た「中央教育審議会・教育部会におけるこれまでの審議のまとめ」の「各教科・科目等の内容」において以下のような課題点があげられている。
1 感性を働かせて思考・判断し、創意工夫をしながら表現したり作品を鑑賞したりするという一連のプロセスを働かせる力を育成すること
2 子どもたちの興味や関心の高まりを資質や能力の向上に生かすような指導の改善を図ること
3 生涯にわたって美術を親しみ、生活や社会に生かすような指導の改善を図ること
4 感じ取ったことをもとに、自分の思いや考えを大切にしながら、自分なりの意味を発見するなどの鑑賞の学習の充実
5 我が国の文化等にかかわる学習を通して、その継承や創造へ関心を高めるともに、諸外国の文化のよさを理解すること 1)
 この課題点の中で鑑賞に関わるものは何項目あるだろうか。全てである。特に4と5は鑑賞の学習の充実が求められている。「感じ取る力や思考する力を一層豊かに育てるために、自分の思いを語り合ったり、自分の価値意識をもって批評し合ったりするなど、鑑賞の指導を重視する」2)という改善の基本方針の背景には、読解力や言語力の向上に果たす教科としての役割等があると思われる。ゆえに、次回の学習指導要領では今まで以上に「鑑賞の学習」が重視された内容が提示されると思われ、研究会では対話型や美術館との連携した鑑賞学習の分科会や発表に人が集まることが予想される。

2 鑑賞教育の現状(美術館との連携)
では、実際の教育現場において鑑賞学習に対する教員の意識は如何ほどであろう。平成17年の7月に姫路市図画工作科担当者会高学年部会において「美術館と連携した鑑賞学習のあり方」という研修会において小学校高学年と図画工作専科の教員(21人)を対象としたアンケートを実施してみた。すると、美術館への引率経験は3人だった。そして、対話型の鑑賞指導の経験者も3人であった。このことから学校の管理職に校外学習の申請し許可を得て、美術館に子どもを引率しようとする先生は、学校や美術館における鑑賞型の鑑賞指導法を書籍や講習会で自分なりに研修し、実施していることが分かった。しかし、残りの18人はその経験がない。そこで、「なぜ美術館への引率が難しいのか」(表1)と聞いてみた。すると第1の理由は「移動の安全確保」だった。近年、子どもたちが被害に会う悲しい事件が報道されている。実際、兵庫県内においても起こっており、登下校において地域の方の協力を得て安全確保しているのが現実である。したがって校外学習における安全確保は学校としてかなり重要事項である。学校を出て美術館へ行ってまで学習するねらいと予想される学習効果を管理職・同僚にしっかり説明できないと、まず許可はでない。
 次に課題になるのが、「時間の確保」である。美術館より学校が遠方になる場合、移動に時間がかかり、その日の全ての授業が図工の鑑賞活動になってしまう。すると高学年の図工の総時数の10分の1の5時間が鑑賞で費やされてしまう。そこで、午後は、総合的な学習として美術館隣接の姫路城の見学をするのであるが、今後は総合の時間も総時数が40時間減少するので連携する教科や教育的活動も精選する必要が出てくる。よって、遠方の小学校からの美術館への引率は難しくなるだろう。また、受け入れ側の美術館の学芸員の方々は多忙を極めている。決して十分とは言えない人数で企画展の準備、展示、広報、ワークショップ等を全てを行った上で、公的な機関として教育・普及活動に取り組んでおられる。学校は多忙な学芸員の方の「子どもに少しでも多く、本物の作品のよさにふれてほしい」という好意に甘えているのであり、「遠方から来たんだ、だから作品鑑賞に協力を」では、学芸員の方も対応に苦慮されると思われる。
 よって、美術館を活用した鑑賞活動は安全面・時間面・学校と美術館の意思疎通面において、かなりの課題を抱えており、指導教員にとって難しいのハードルをクリアしないとことになる。そこで、登下校によく目にしているはずの校区内にあるパブリックアート等の作品の鑑賞をすればよいことになる。この点についてもアンケートをしてみたところ半数の教員が実施に興味を示した。ところが表2のように「アート作品の場所を事前に把握しておく」ことの難しさとともに、美術館での鑑賞と同じように「安全確保」が実施を難しくしている要因としてあげられていた。すなわち、短時間で取り組め、生活科の「校区巡り」と関連づけて行える校区のアート作品鑑賞であっても子どもを安全に引率するための教員を確保することが非常に難しいのである。
 私が新任のころは「よし、**にでかけるぞ」と校区の探検等に行けたのたが、子どもたちを取り巻く社会の変化により、教室または学校を飛び出した表現・鑑賞活動の実施は難しくなっているのである。

3 対話型の鑑賞活動への戸惑い(教室での鑑賞活動)
そこで、重要になってくるのが教室における鑑賞活動である。図版やインターネット上の画像を活用すると教室で手軽に鑑賞活動が行える。そこでよく行われているというのが対話型の鑑賞活動である。しかしながら、表3が 示すように多くの教員は「指導法がよく分からない」と回答している。
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数冊の書籍が出ているものの多くの教員にとって対話型の鑑賞指導を実際に見たことがないのである。ゆえに指導できる教員がほとんどいないのが現実である。今後は、美術館とした連携した教員対象の研修会や授業公開を図工担当者会や教育研修所等が主導で行っていかないと審議のねらいに示されている鑑賞教育の充実は難しいと思われる。
 また、対話型の鑑賞についても、その指導法について検討が必要と考える。なぜなら、美術館での対話型の鑑賞活動で「何が起こっているかな」という私の問いに対して、画面から自由に思いを広げ自分の考えを活発に述べてくれたのだが、「本当に作品のよさや美しさを鑑賞させているのだろうか?」という疑問が残ったからである。この実践の反省で、例えば比較に基づく鑑賞と対話型の鑑賞を組み合わせることで、双方の作品のもつ価値を焦点化して子どもに発見させることができるのではないかと思ったのだが、いかがだろう。
 今後、審議のまとめに示されているように「コミュニケーションや感性・言語の基盤としての言語の役割」3)を体験的に学ばせるために対話型の鑑賞活動は活発に行われると思われるのだが、その活動のねらいとして「よさや美しさを鑑賞させる」ことをしっかり教師が持って鑑賞の指導法を検討・修正していかないと、美術の鑑賞が形骸化し、何かのツールになりかねないと懸念を感じている。」

1)2)中央教育審議会 初等中等教育分科会 教育課程部会「教育課程部会におけるこ    れまでの審議のまとめ」2007年、P96
3)前掲、「教育課程部会におけるこれまでの審議のまとめ」2007年、P53

*まだ、はじめたばかりで、表の位置調整が不十分で読みくるしいところは勘弁してください。
by kazukunfamily | 2008-01-14 12:32 | 新しい指導要領

子どもと環境とアート教育の関わりを生かした図画工作科教育の実践的研究


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