カテゴリ:子どもと鑑賞活動( 26 )

審美的共感と鑑賞活動

審美的な子どもの心の成長と鑑賞活動とは、かなり深いつながりがあると考えられる。それは、造形教育における鑑賞活動は、子どもたちが、進んでみたり、触れたり、感じたりすることで、そのよさや美しさなどを感じ取り、想像力を働かせながら見方や感じ方を深め、感性を高めることをねらいにしているからである。
この感性は「心に価値を感じる力」として、感覚や知覚によって生じたイメージ、それらに関わる感情などを包括した価値的概念であるとされているが、さらに、その価値の中で美的な価値を感じる力に高まれば審美的な心(共感)へとなってゆくと考える。
 よって、子どもは、日々の様々なモノやコトのやりとりの中で、見たり、そのものを手にしたりして鑑賞活動おこなっている、その鑑賞というかかわりを通して対象世界のよさ美しさを感じる「美の感情=審美的心」を発揮し、高めているのではないだろうか。
この「ものを見る・感じる活動」で高められた審美的な心の力が、表現にも生かされている。なぜなら子どもは、つくりながら見たり感じたりしながら表現を行っているからである。そこでは、表現過程の鑑賞が行われ、自分の作品に対するよさや美しさを見たりする審美感が働いていると思われるからである。
審美的共感力は、表現活動のみならず鑑賞活動においても渾然一体となって子どもの環境へ能動的に関わってゆく基盤になっている考える。
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by kazukunfamily | 2012-05-15 20:32 | 子どもと鑑賞活動

教科書の作家の作品,授業につかっていますか?

教科書の作家の作品,授業につかっていますか?

今年の2月に市の図画工作担当教諭に「教科書に掲載してある作家の作品等を参考にするか」と聞いたところ,51人中の教師のうち,10名しか教科書掲載の作家の作品を鑑賞に参考にしていなかった。
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また,造形活動の参考にしているものも同数だった, 
そこで,教科書の作家の作品を参考ない理由を聞いたところ,その31人が「掲載作家の情報をよく知らないこと」,17人が「子どもの技量との差がありすぎること」を指摘していた。
 
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教科書掲載作家の作品を,子どもの造形遊び等の表現を考えるのに手がかりにすることに抵抗はないと思われるがが,作家に対する情報が少ないため,「なぜその素材なのか,なぜそんな風に表現するのか」などと,その表現の意図を理解して,子どもに自分たちの生活と表現とのつながりを気づかせる活動を,実践するところまでには至っていないようである。
子ども達はIpad等のタブレットを活用するには抵抗のない世代である。そんな教科書の作品情報が簡単に取り出せる,電子教科書の開発をある意味,期待する。
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by kazukunfamily | 2012-03-10 22:41 | 子どもと鑑賞活動

アンディ・ゴールズワージ,大好き。

アンディ・ゴールズワージは,私を環境芸術に導いたひとです。無茶,リスペクトしています。
彼のよさを紹介しします。

1 ゴールズワージと現代社会の環境
 イギリスのエコロジーを重視した作家たちには、「画廊や美術館などの展示空間や商品としての作品という、従来の芸術をめぐる問題に対する批判」と「環境汚染や都市化による人間の疎外、こうした現代文明に対する懐疑によって触発された、地域環境に対する意識の目覚めや、自然との共感への願望」が共通するといわれている。芸術が社会経済状況や社会的通念・価値規範等と相互に連動している活動であるがゆえに、「環境芸術」は自然と乖離する方向に肥大化した芸術界や現代文明を批判し、オルターナティブ(代案・提案)を模索するという時代動向と連動しているといえる。
 ゴールズワージは、1956年イングランドのチェシー生まれで、リチャードロングやナッシュといった日本でも馴染みの深い自然派の第一世代を継ぐ、第2世代の旗手とみなされ、世界各地でも個展が開催されるなど注目を集めている作家である。ゴールズワージは自然の中で手以外のほとんどの道具ももたずに入り込み、木の葉や土、小石、茎、鳥のはね、雪などの自然の素材を使い、自らのいる場所や素材のもつ特性を生かしながら、自然界に一時的に新たな秩序を創造し、これを写真や紙にドローイングしたりして記録して発表する。彼の自然との対応を大切にした制作姿勢は、イギリスの自然に対する伝統的な愛着を脈々と受け継いでいるといわれる。
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 作品「石の室」は日本において始められた作品パターンで、ゴールズワージが足尾の渡良瀬川の支流で制作されたものである。日本名「木に保持された岩」という作品であるが、鉱毒により山の木々が枯れ果て、公害の被害をやせた山肌による洪水により広げた足尾の公害の現状を岩と木との関係で、自然のエコロジーの重要性を端的に表現している。周囲においてある積み重ねられた木はいっさい岩には触れていない。微妙な緊張のある関係によって自然の関係は保たれていることを表してると思われる。まさに現代社会において環境がぎりぎりの所でバランスをとって存在しているのに,人間はそのバランスをいともたやすく崩している。足尾という場所の持つ意味がそれを強調している。考えさせられる作品である。
2  ゴールズワージに注目する理由
 ゴールズワージは、葉でペィンティングし自然の素材で彫塑すると述べているが、その手法は、小石並べ、積み木等の幼児や児童の造形活動範疇に頻繁に観察されるものがよく使われている。言い換えれば、子供(幼児期から児童低学年)の造形活動と彼の仕事(制作)の類縁性は高いといえる。
子供も彼も、大地との造形を通した交流を体験することで、人間としての自然を慈しむという根源的感情やイメージ世界を共振的に獲得している。この自然環境の中における活動はすべて、自らの自己実現の場となっているのである。また、自然との謙虚な交流は、人間の営みがが自然に与えている傷を見出す。よって、創造的交流によって、自然の声を聞くこと、自然と共生することをいかに学ぶかといったことは、21世紀に生きる子どもたちにとって非常に重要なことなのである。
子供を取りまく環境では、人工的な仮想世界が拡大している。そこでは視覚や聴覚等が主に働き、全身的な感覚は味わえなくなっている。だからこそ、ゴールズワージの自然の中で一体化する直接体験の活動へ立ち戻ることが大切だと考える。
 自然の中での活動は、子供の創造性を育成する上で重要な要素をたくさん含んでいる。そこでは、ただ単に自然は懐かしい、大切だといった郷愁感だけなく、自然の中でこそ獲得できる感覚や活動を造形活動としてどのように組織化し、カリキュラムの中に位置づけしていくことが問われることになる。ゴールズワージの自然に触れ自然と対話をしながら制作をする彼の生き方、表現の仕方は、それへの大きなヒントを与えてくれていると考える。

彼の作品集をみると,自然の美との寄り添い方がわかるような気がします。
制作様子のDVDもいいですね。
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by kazukunfamily | 2012-03-06 20:26 | 子どもと鑑賞活動

おひまちと雪と教授の初論文

今日4日は、出雲さんのおひまち。
朝9時から、神社の清掃をして、13時から神事がはじまりました。
そして、外を見ると大雪でした。午前中ははれていたので、びっくりでした。
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あっという間に、一面雪化粧。今日の運動はゆきどけです。
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ただ、道路端なので、車のどろはねがつらいですね。
その後、教授の論文を整理していたら、昭和41年にかかれた初めての論文をみつけました。
なんと青焼きです。内容は絵画指導についてですが、充実していました。
さすがです。
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by kazukunfamily | 2012-01-04 22:29 | 子どもと鑑賞活動

アレナスの講演会報告

大阪堺市でのアメリア・アレナスの講演会にいってきました。

対話式鑑賞は、アートが楽しくなる・・・確かにそうおもいますし、
鑑賞の導入の1方法としては、非常に効果的、適切な方法と思います。
ただ、これがすべてでも、ないとおもいます。多様性がアートの魅力!
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対話式鑑賞については、放任という誤謬もあるようですが、講演をきくと、それはひどい誤りと気づきます。
まず、アレナスは、思考を促します。また、その思考が知的パワーつながることを指摘します。
「どうして、なぜ、ほかに・・」と、参加者の絵から見いだしたことを受け入れたり、展開させたり、します。
その、発問、認証の言葉のタイミングは絶妙でした。(すごい、知的なパワーを感じました)

「俳句モードで短く、考えたことを述べて・・・」とある発言が他者と共有できるように助言されていました。
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また、連想と観察の違いは大きい、見いだしたことから自分の発想を広げることの大切さをしてきされました。


また、懇親会では、環境芸術の鑑賞への助言もいただきました。(ラッキーです)
あと、広島発表用の和太鼓をもっていたら、プレゼントと言われたので、
本日、私作の和太鼓と子供が修復した和傘を、パフォーマンスの動画付きで彼女に発送しました。
どんな反応があるか楽しみです。
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(かっこいい、首飾りでした、ラッキーな2ショット!)
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by kazukunfamily | 2009-02-24 18:52 | 子どもと鑑賞活動

和傘の鑑賞をしました。

自分たちの校区とみすのオリジナルの傘踊りをつくるため、まずは、傘の改造にとりかかっています。
その第2弾で、今日は和傘の鑑賞の授業をしました。
内容は、洋傘と和傘はどこが違うの?
子ども達の意見
和傘・・・竹、木、紙でできている。
     木・竹がまっすぐだ、
     持つところがまっすぐだ。
     手作りだ!
洋傘・・・持つところが曲がっている。
     傘のはりもまがっている(ふくらんでいる)
     ビニールや鉄が使ってある。
     機械でつかってある。
もってみて、
持ち方がちがうぞ・・・・
洋傘は、曲がるところをもって、杖みたい。
和傘は、どこを持つの?
      抱えるのかな・・・ぬれるぞ?
     あっ、時代劇で、先のところをもっていた。洋傘と反対や、杖にはならない。
回してみよう。
和傘の方が、たくさんの棒(骨)があるので、まん丸や。
まわしやすい。洋傘は、回す人にむかってまがっているので危ないな。
和傘は、回すときれい。音もなるな・・・
いろんな種類の和傘をみて・・
普段見る、植物とかがかいていある。
着物の柄もつかってある。
役者さんの名前の傘もあるぞ・・・

いろいろ、でましたが・・・画像は後日で・・
(なぜか、登録できませんが・・・?)
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by kazukunfamily | 2008-11-18 23:29 | 子どもと鑑賞活動

「モナリザは怒っている」を買いましょう

11月28日に「モナリザは怒っている」という、対話型鑑賞の指導参考、DVD及びテキストが出版されます。
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執筆は、上野行一先生と奥村高明先生です。
この本は、対話型鑑賞の実践・理論を、実際の指導映像を元に、解説してあります。
鑑賞法=対話型鑑賞
会話=対話型鑑賞
など、いろいろ誤謬があるものの、
現在、多くの先生が興味と指導に取り入れたい対話型鑑賞指導法を
その真のねらい、適切な指導法を、
映像と解説でわかりやすく示してあるそうです。

必読というより、ぜひ手に入れ、研修に利用したいブックです。

連絡先
株式会社 淡交社
TEL 03-5269-7941
担当 黒澤

代金 3876円です。
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by kazukunfamily | 2008-11-06 23:08 | 子どもと鑑賞活動

兵庫県立美術館、シャガール展は面白い

兵庫県立美術館、シャガール展は面白いです。
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作品としては、ユダヤ人劇場の大きな作品が面白かったですが、
やっぱり、最後に置いてあった「魔笛」ですね。
色といい、内容といい、見飽きなかったです。

県立美術館では、お昼のランチは、・・・・
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このお店がいいですね。運河沿いの作品をみながら食べるランチはいいですよ。

いい物を発見しました。さすが、県立と思いました。
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明日からは、ガムテープアート後日談です。
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by kazukunfamily | 2008-09-15 16:09 | 子どもと鑑賞活動

はらこべこ青虫に没バージョンがあった。

この5月12日まで、東京の松坂屋8階でエリックカール展がありました。
偶然見つけたのですが、これでも、大学の時、絵本同好会をつくろうと画策していた一人ですので、当然、見に行きました。
するとでかい青虫が・・・・
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そして、学割で入ろうしたら、学生ですか?と疑われました。(ま、博士ですから・・年ですから・・ぐすん)
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中で見ていて、十分子どもの造形に使えるな、とおもいました。
ただ、ストーリーがすごいなーと感心しました。
なんと腹ぺこ青虫には、ベータ版があった。やたら葉っぱが大きな表紙でした。
最後は、食べ過ぎで終わる(完成版はちょうになりますね)
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全体的に、鮮やかな感じのアート展でした。
ただ、丸ごとリンゴパンならぬ、青虫関係のパンが売られていることにびっくりでした。
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そして、大量の青虫を見て、買おうかなと思いましたが、これをだいて東京を歩く、自分がおかしくてやめました。
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この展覧会、関西にこないのでしょうかね。
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by kazukunfamily | 2008-05-14 02:14 | 子どもと鑑賞活動

音楽と造形指導者の声

5月2日から6日まで、東京国際フォーラムで「ラ・フォル・ジュルネ」熱狂の日音楽祭200が行われていました。
運良く、東京都交響楽団(小泉 指揮)のチケットが手に入ったので、昼過ぎからシューベルトの交響曲3番をでっかいホールで聴くことができました。

そして、会場をうろうろしていると、キッズコーナーででっかい鯉のぼりが制作されていたので、さっそくそのブースへいきました。すると、鯉のぼりの次は、リサイクル楽器ということで、ペットボトルを使った楽器づくりがスタートとしていました。「音楽と造形の融合、いいなー」とおもっていたら、「今から、サプライズコンサートが始まります」ということで、テレビの「天才たけし」かなにかで出ていた、国際ジュニアのフルート部門で優勝者の中学生が演奏をはじめました。
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ところがです・・・
となりの造形ブースの指導者の「***気をつけてください」「***しましょう」「さあ、ふって音をならして・・」が、マイクで増幅されて聞こえてくるのです。
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「演奏者がかわいそうやなー」と思いながら、それでもベストの演奏をしようとする中学生の集中力に感心しながら聴いていました。また、小さいにのに、じっと聞き入る子ども達にも感心していました。
それでも、耳に入る造形ブースの声、「時間設定して、重ならないようにしてあげればいいのに」と思いながら、ふと、その声に耳をたてていました。
5秒も間をおかず、聞こえる声、すべて作り方の指示ですね、とくに怪我のない制作になるように指示が飛んでいました。
しかし、すごい量の指示です。たぶん、制作する親子は聞き流しているでしょう。
そこで、思ったのは「自分も、授業でどれだけ多くの指示をしてるのだろう」とうこと。
たぶん、このマイクの声にまけないほど、いろいろ言っているのだろうと思いました。
そして、子どもには届いているのかなとも、反省しました。
ま、いろいろ考えた、フルートの演奏でした。
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スニーカーを履いたシューベルトとまねする子どもがおもしろいですね。
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by kazukunfamily | 2008-05-12 00:52 | 子どもと鑑賞活動

子どもと環境とアート教育の関わりを生かした図画工作科教育の実践的研究


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