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造形遊びの魅力

1 造形遊びの希望=魅力とは?
まずは,DO宣言文を示す。
後に教科調査官になった板良敷は,1978年,『教育美術』誌上に「行為の美術教育―『もの』と『空間』の設定による実践報告」を発表し,その中で以下の「Do宣言文」を発表した。
「美術教育は子どもを行為に駆り立てることである。造形活動は行為に発し,行為に終わる。色や形による表現は,今日風化している。美術教育は現実に立ち向かう力を培うことであり,色や形で子どもを縛るのではなく,行為するエネルギーをコントロールすることができる力を獲得させることである。それは机からの解放を意味し,『環境』や『もの』に目を向けさせることである。美術教育は,明日には役に立たない教育である。活動の無目的,色や形に対する無制限,従来の絵画観に対する無価値・無意味なものの中に子どもの興味・関心を見出すことである。我々は,指導者であるよりも時間・空間・場・素材の提供者でありたい」。
 この宣言文を今の現場の美術教育に関わる教師に再読を促したい。
 DO宣言文にある「美術教育は,明日には役に立たない教育である。活動の無目的,色や形に対する無制限,従来の絵画観に対する無価値・無意味なものの中に子どもの興味・関心を見出すことである。」という文は,現在,美術教育の存在意義を数値や言葉で示そうとする人々や新任の教師にとって,「現代芸術をまねて,自由に好きなことをやらせればいいのか」と誤解されそうだが,これはそんなに浅い意味ではない。
 これは「造形遊びの無償性」である。すなわち,造形遊びの目標は、必ずしも何々をさせるため、何々をつくるため、子どもの色・形への把握力やそれを基にひろげるイメージ力を評価するために行うのではない。むしろ、目的をもたない造形行為や造形活動そのものをねらいとするところに、つまり、遊びの無償性にある教育的な意義を目標とするのである。
 大切なことは、作品づくりの手段として遊びを見るのではなく、遊び=子どもの行為そのものが表現であるという見方である。だから表現の出来栄えではなく、造形的遊びの過程で色や形の変化に対する柔軟な造形性を身につけさせることだと捉える。
 その解釈の上で,造形遊びが低学年に導入された昭和52年告示の学習指導要領において位置づけを整理すると以下の5点になる。
①全身を使った大きな造形活動をさせることから、ものを作る喜びや楽しさを得させる。
②地域性を生かした身近な材料をもとにして色や形に関心を持たせる。
③地域や学校の環境に関わる行為的な造形活動ができるようにする。
④造形の基礎として総合的な造形活動が行われるようにする。
⑤幼稚園等での造形体験との関連を図り、またその発展的な系統を考慮する。
 この位置づけから考えると,造形遊びは子どもにとって,まず楽しいものでなくてはならない。しかし、ただ楽しいといった類のものでなく、子どもの自ら求め自ら工夫や試みをこらし飽くことなく没頭する造形活動にする必要がある。
 そのために、1970年代当時,板良敷らと共にの造形遊びの理論と実践開発した兵庫教育大学の辻田義邦は,少なくとも次のような引き出す造形遊びの魅力が必要としている。
①子どもの心と身体が自然に躍動するような楽しさがあること。
②作業のスピードが自在にコントロールでき、でっかい広々とした造形の場と物があ  ること。
③切る・破る・並べる・積むといった生々しい造形の営みを子どもが繰り返し駆使でき ること。
④遊びのイメージを作り出す仲間がいること。つまり「楽しい」「はやさ」「広がり」「深まり」のある表現活動。

2「希望としての造形遊び」づくり
 この学習指導要領における位置づけと魅力の指摘は30年以上も前のものであるが,造形遊びのもつ希望を的確に指摘している。さらに辻田達のグループは,より具体的な教材内容や学習の展開つくりだしために造形遊びの領域の試案を示している。
その内容は以下の通りである。
 ①からだによる表現
材料や場所を生かして全身的な造形活動をする内容。
 ②材質への作業
材料に基づく発想・連想・模倣活動・感覚訓練的な活動内容
 ③空間への活動
場所・環境を生かして大きく・広い空間への取り組みから空間性を身につける行為的な造形活動内容。
 ④構成的な遊び
初歩的・基礎的な構成遊びの内容。並べる・積む・写す等の活動内容
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by kazukunfamily | 2014-11-02 15:05 | 子どもと表現活動

アート授業の環境充実中

北海道教育大学函館校の
アート授業の環境は徐々に充実中です。(がんばったよ,掃除,片付け)
まずは研究室(本が増えたよ)
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演習室もきれいに改修
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デザイン室もすっきり(来年度,パソコン新しくなるといいね。)
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美術教室も描きやすくなりました。(片付けよろしく!です)
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学生や地域の方に使いやすい空間を実現したいと思ってがんばっています。
今後の充実もお楽しみに!
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by kazukunfamily | 2014-11-02 14:54 | 橋本ゼミの活動報告

子どもと環境とアート教育の関わりを生かした図画工作科教育の実践的研究


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